オフィスビル建設で重視すべきZEB対応と省エネ法対策|建設マネジメント会社が解説

脱炭素社会の実現に向けて、日本の建築業界でもZEB(ゼブ:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)への対応が急速に求められています。特に新築のオフィスビルでは、省エネ法への対応とともにZEB基準を満たす設計・施工が、企業価値の向上や補助金の活用にも直結します。

本記事では、建設マネジメント(CM)会社の立場から、オフィスビル建設において押さえておくべきZEB対応のポイントと、省エネ法に基づく法的対策についてわかりやすく解説します。

✅ ZEBとは?|今なぜ重要なのか

**ZEB(Zero Energy Building)**とは、建物の断熱性能・設備の高効率化と、再生可能エネルギーの活用によって、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロにすることを目指した建物です。

国土交通省・経済産業省・環境省は、「2030年以降に新築建築物の平均でZEB・ZEHを実現する」という目標を掲げており、企業の建設投資にもZEB対応が実質的な標準化となりつつあります。

✅ オフィスビルでZEBを導入するメリット

  • ☑ エネルギーコストの削減(空調・照明費用)

  • ☑ 国の補助金(ZEB補助金)活用が可能

  • ☑ ESG投資やグリーンビル認証(CASBEE、LEED等)との親和性

  • ☑ 企業のブランディング強化(サステナブル経営の証明)

  • ☑ 長期的な資産価値の向上・入居者満足度アップ

✅ ZEBの分類と達成レベル

区分特徴一次エネルギー削減率(設計段階)
ZEBゼロエネルギーを実現100%以上削減
Nearly ZEBほぼゼロエネルギー75%以上削減
ZEB Ready高効率設計(再エネなし)50%以上削減
ZEB Oriented部分最適型40%以上削減(大規模非住宅)

初めての導入では「ZEB Ready」や「ZEB Oriented」からの段階的な対応が現実的です。

✅ ZEB化に必要な設計・設備要素

  1. 高断熱仕様(外皮性能の向上)
     → 窓の高性能化、外壁断熱材の強化、庇の設置など

  2. 高効率設備の採用
     → LED照明、自動調光、インバータ空調、熱交換換気設備など

  3. BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)の導入
     → 消費エネルギーの「見える化」と制御最適化

  4. 再生可能エネルギーの活用
     → 太陽光発電、蓄電池、地域熱供給との連携など

✅ 省エネ法(建築物省エネ法)への対応とは?

令和3年の法改正により、延べ面積300㎡以上の新築非住宅建築物は、省エネ基準適合が義務化されました(2021年4月施行)。

対象となる建物:
  • オフィスビル

  • 店舗ビル

  • 医療施設 など

建築主は建築確認申請時に、省エネ適合性判定書の提出が求められます。
ZEB対応は、この省エネ基準をさらに上回る水準であり、制度対応と企業価値の両立を可能にするアプローチといえます。

ZEBはコストではなく、資産価値を上げる投資

ZEB対応のオフィスビルは、単なるエコ建築を超えて、将来のテナント誘致力・建物価値・企業ブランドを大きく向上させる資産です。

初期コストだけにとらわれず、長期視点でのコスト削減と付加価値創出の観点から、ぜひZEB対応と省エネ法対策を組み込んだ計画立案をおすすめします。

私たちはZEBプランナーとして、建築主とともに未来につながるオフィスビル建設を全力でサポートしています。
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