有床診療所で新規開業(事業承継)するには?
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設計・建築・法対応を成功させるための準備とは
高齢化が進む中で、地域医療を担う**有床診療所(19床以下)**の重要性が再認識されています。新たに開業を目指す医師にとって、「ゼロからの新築」だけでなく、**既存施設を活用した事業承継(引き継ぎ開業)**という選択肢も増えています。
この記事では、有床診療所を新たに始める際の新築と事業承継の違い、開業までの流れ、そして建築確認・消防対応を専門とするCM(コンストラクション・マネジメント)会社の立場からの注意点について詳しく解説します。
1. 有床診療所での開業方法は2つ
■ 新規開業(新築)
まっさらな土地に新たに有床診療所を建設して開業する方法。自由度が高く、最新の設計が可能ですが、初期費用と期間は大きめです。
■ 事業承継(M&Aや引き継ぎ)
既存の有床診療所を買収・引き継いで、自分の診療体制に変えていく方法。建築費を抑えられる反面、設備や建物が古い場合は法適合に注意が必要です。
2. 開業までのステップ(共通フロー)
ステップ | 内容 |
---|---|
① 事業計画の立案 | 診療科・規模・地域ターゲットを明確に |
② 用地取得 or 承継先選定 | 開業地やM&A対象施設の調査 |
③ 設計・建築 | 建物の新設または改修工事を検討 |
④ 建築確認申請・消防署協議 | CM会社や設計者と法対応の整備 |
⑤ 保健所への開設届出 | 各種構造・設備基準の確認 |
⑥ 医療機器導入 | 機器メーカーとの調整・施工との連携 |
⑦ 開業準備・人員確保 | スタッフ採用・内覧会・広告など |
3. 新築 vs 事業承継の建築面の違い
項目 | 新築 | 事業承継 |
---|---|---|
自由度 | 高い(ゼロ設計) | 低め(既存構造に制限) |
工事内容 | 土地造成~建築一式 | 改修・用途変更工事あり |
法対応 | 最新基準に対応必須 | 旧建物の法適合チェックが重要 |
工期 | 長期(6ヶ月~1年) | 短期(2~4ヶ月も可能) |
4. 建築確認・消防対応のポイント(CM会社視点)
有床診療所は特殊建築物であり、建築確認や消防署対応が開業に直結します。
当社のような建築CM会社が対応できる範囲は以下の通りです:
✅ 新築の場合
避難経路やスロープ設置などの法適合設計サポート
建築確認申請に必要な図面や申請書類の整備
消防法に基づく設備設置のアドバイスと協議立会い
✅ 事業承継の場合
既存施設の現況調査(法的適合性、図面確認)
変更が必要な箇所のリストアップと改修提案
用途変更・軽微な増改築における確認申請の要否判断
5. 事業承継で特に注意すべき点
既存施設が建築基準法・消防法に適合していないケースが多い
検査済証がない施設の場合、用途変更扱いで新築に近い法対応が必要なことも
**診療科変更(例:内科→整形外科)**時にはレントゲンや処置室の改修が必要
事業承継はコスト面で有利に見えますが、見えないリスクも存在するため、事前の建築診断が非常に重要です。
有床診療所を始めるには、「新規開業」と「事業承継」の2つの方法があります。どちらを選ぶにしても、建築確認や消防署対応を確実に行うことが開業成功の鍵です。
私たちCM会社は、医療施設の法対応に特化しており、設計前の相談から行政手続きまでを一括でサポートしています。
開業をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。