【医療施設の種類・役割を徹底ガイド】病院建設で失敗しないための設計・施工ポイントとは?
病院建設は「建物」ではなく「医療体制」をつくる仕事
病院は、地域医療を支える基盤であり、建物の性能=医療の質に直結する特殊施設です。
しかし、
病院の種類ごとの機能
法的要件
設備負荷
感染症対策
災害対応
物流(薬剤・リネン・検体)の動線
など、多くの要素が複雑に絡むため、一般の建築とは比較にならないほど専門性が求められます。
そこで本記事では、建設マネジメント(CM)の専門視点から、医療施設の種類・役割・設計要件を“実務的に理解できる形”で徹底解説します。
医療法人・地方自治体・病院経営者・設計会社の方々の計画検討の参考となる内容です。
1. 医療施設の分類|まず押さえるべき「病院」と「診療所」の違い
日本の医療施設は以下のように大きく分類されます。
● 病院
→ 病床数20以上
→ 外来・入院・手術・検査など総合的な医療を提供
● 診療所(クリニック)
→ 病床数0〜19
→ 外来診療が中心で地域医療の入口となる
病院は診療科や医療機能に応じてさらに細分化され、
建物構造にも大きな違いが生まれます。
2. 病院の種類と役割|用途によって建物要件が大きく変わる
各タイプを“設計目線”でわかりやすく整理しました。
① 一般病院(地域中核病院)
役割:急性期患者の治療、手術、入院
特徴:複数の診療科を持ち、救急も受け入れる
設計のポイント
手術室ゾーンと病棟を短い動線で接続
救急搬送→初期診断→CT/MRI→病棟の流れを最適化
感染症エリアと一般エリアの分離
② 特定機能病院(大学病院)
役割:高度医療、研究、教育
特徴:最新医療機器・研究室を併設
設計のポイント
大型医療機器の床荷重(MRI・CT・放射線機器)
研究エリア・病棟・外来のセキュリティ区分
動線を“患者・スタッフ・研究者”で完全分離
③ 専門病院(がん・心臓・小児など)
役割:特定疾患の高度治療
例:がんセンター、循環器センター
設計のポイント
放射線治療室のシールド構造
化学療法室の換気・ゾーニング
疾患特有の治療動線の最適化
④ 精神科病院
役割:精神疾患・認知症の治療
設計のポイント
自傷防止を考慮した什器・金物の選定
監視とプライバシーの両立
閉鎖病棟と開放病棟の動線タッチポイント管理
⑤ リハビリテーション病院
役割:回復期の機能訓練
設計のポイント
リハビリ室の大空間(床荷重・天井高)
動線を“平行移動中心”に構成
屋外リハビリスペースの確保
⑥ 療養型病院・介護医療院
役割:長期療養や医療と介護が必要な患者の生活支援
設計のポイント
病室の居住性・採光
トイレ・浴室の介護動線
介護スタッフのワークエリア確保
⑦ 診療所・クリニック
設計のポイント
待合室を広く確保し感染リスクを下げる
検査室・処置室への動線短縮
車椅子・ベビーカー対応のバリアフリー
⑧ 在宅医療・訪問診療センター
設計のポイント
スタッフの動線効率
車両の入出庫動線
医薬品保管スペースの温度管理
3. 病院設計・施工で必ず押さえるべき“5つの専門領域”
病院は一般建築より難易度が高いため、以下の専門項目を確実に整理する必要があります。
① 動線計画(患者・スタッフ・物資)
病院では動線が“混ざる”と重大事故につながります。
救急 → 手術室 → ICU
外来 → 検査 → 会計
薬剤・検体・リネン搬送
これらを完全分離する設計が必須。
② 感染症対策(陰圧室・陽圧室)
COVID-19以降、感染症対策の重要性が飛躍的に高まりました。
陰圧室の必要室数
換気回数(6〜12回/時間)
HEPAフィルター
気流方向の制御
病院設計で最も重要な領域のひとつです。
③ 医療機器の設置要件
MRI・CT・放射線治療機器は、
床荷重(1,000〜2,000kg/㎡)
電源容量(200V/400V)
シールド工事(鉛・鉄板)
など特殊な条件があり、建物計画に大きく影響します。
④ 災害・BCP対策
病院は災害時に決して止めてはならない施設です。
耐震・免震構造
非常用発電(72時間運転)
浸水対策
エネルギーセンターの配置
BCP対応は自治体監査の項目にもなっています。
⑤ メンテナンス動線・設備更新性
病院は改修頻度が高いため、設備機械室・天井裏・ダクトルートを“更新しやすく”設計することが必須。
4. 事業計画の成否を左右する「CM方式」の重要性
病院建設は、
医療法人の意見
行政(保健所・消防)
医療機器メーカー
施工会社
など多者調整が必要で、通常の建築よりもはるかに複雑です。
そのため、CM(Construction Management)方式での初期関与がコスト・工期・品質を大きく改善します。
“医療機能 × 建築”を両立させる設計が成功の鍵
病院は種類ごとに、必要な機能・設備・動線がまったく異なります。
成功する病院建設のポイント
-
医療機能を理解したうえで建築計画を立てる
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診療科・病床・検査室の配置計画が性能を決める
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感染症対策・防災・BCPは必須条件
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医療機器の要件を初期段階で整理
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CM方式で計画初期から全体管理を行うことが最重要
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