ビジネスホテル建設のコスト感と坪単価の目安|建設マネジメントの視点から徹底解説

訪日外国人観光客(インバウンド)の回復や国内ビジネス需要の再拡大を背景に、ビジネスホテルの建設計画が再び注目を集めています。しかし、初めてホテル開発に取り組む企業にとって、建設コストの相場感や坪単価の目安が分かりにくいのが現状です。
本記事では、建設マネジメント(CM)会社の視点から、ビジネスホテル建設にかかる費用感や、費用を左右する要素、さらにCM方式でコストを最適化する方法について解説します。
✅ ビジネスホテルの建設費用はどれくらい?
一般的なビジネスホテルの建設費用は、坪単価で80〜130万円程度が目安とされています。
ただし、これは建物の構造・階数・客室数・立地条件・仕様レベルによって大きく変動します。
▶ 坪単価の目安(構造別)
構造 | 坪単価(目安) | 特徴 |
---|---|---|
鉄骨造(S造) | 約90〜110万円 | 中低層ホテルに多い、施工スピードが早い |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 約100〜130万円 | 高層建築向け、遮音・耐久性に優れる |
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 約120万円〜 | 大型・都市型ホテル向け、高コスト |
✅ 総建設費の目安
例)100室規模・延床面積2,000㎡(約605坪)のビジネスホテル
坪単価:100万円 × 605坪 = 約6億5000万円
設計費・許認可費・インテリア・什器備品(FF&E)など含めると、総事業費は約8〜10億円程度が一般的です。
✅ 建設費用を左右する主な要素
立地と敷地条件
地盤改良の有無、変形地・狭小地での設計難易度によってコストが増減します。客室仕様と設備グレード
ユニットバスの有無、壁材の遮音性能、館内空調の方式などで大きな差が出ます。共用部の規模
レストラン、ラウンジ、会議室などの有無がコストに直結します。用途地域・法令対応
防火地域や準防火地域では構造制限によりRC造が必須になる場合もあります。建築確認・旅館業法の申請対応
ホテルは「特定用途建築物」に該当するため、避難計画や排煙設備、衛生設備などの追加対応が必要です。
✅ CM(建設マネジメント)方式でのコスト最適化
当社のような建設マネジメント会社(CM会社)が関わることで、設計・施工分離による透明性の高いコスト管理と、コストパフォーマンスを最大化したホテル建設が可能になります。
CM方式のメリット:
☑ 複数業者からの相見積もりで適正価格を把握
☑ 過剰仕様・過剰設備の見直し提案
☑ スケジュールとコストの両面を踏まえた発注戦略
☑ オペレーション視点からの動線・設備設計の最適化
☑ 各フェーズで建築主の立場で意思決定をサポート
「いくらかかるか」ではなく「どう組むか」が重要
ビジネスホテルの建設費用は、単なる坪単価の掛け算では把握できません。
土地条件や法令対応、運営戦略、建設スケジュールなど、複数の要素を横断的に整理する建設マネジメントの視点が不可欠です。
初めてホテル開発に取り組む方や、収支計画と建設コストのバランスに不安のある方は、ぜひ企画段階からのご相談をおすすめします。