中小企業向け建設費用の税制優遇とは?
即時償却や補助金を活用する方法【2025年版】
自社ビルやオフィス・工場・倉庫などの事業用施設を建設する際、「コストが高くて踏み切れない」という声をよく耳にします。
しかし、中小企業には建設費を税制上で優遇する制度や、初期投資を軽減できる補助金が複数用意されています。
本記事では、建設マネジメント会社の立場から、2025年現在活用可能な建設費用の節税・補助制度を整理し、わかりやすくご紹介します。
✅ 税制優遇その①|中小企業経営強化税制(即時償却または特別償却)
中小企業庁が推進する「中小企業経営強化税制」では、以下の設備投資に対して即時償却または10%(建物は7%)の税額控除が認められます。
◾ 対象となる設備
生産性向上に資する建物附属設備・構築物
事務所・工場・店舗などで用いる建築物(要件あり)
空調・電気・照明・給排水などの設備機器類
※一定の先端設備や、生産性が30%以上向上すると見込まれる設備などが対象
※対象要件には「工業会等の証明書」取得や「経営力向上計画」の認定が必要です
◾ 償却方法の選択
即時償却:対象設備の全額を初年度に経費計上
税額控除:建物取得額の7%相当を法人税額から直接控除(上限あり)
税制活用の可否は計画段階での確認が必須です。CM会社に相談しながら設計内容を決定することで、制度適用がしやすくなります。
✅ 税制優遇その②|中小企業投資促進税制(中小法人等特例)
一定の設備投資について、30%の特別償却または7%の税額控除が選べる制度です。経営強化税制に該当しない場合はこちらを適用できるケースがあります。
主に資本金3,000万円以下の法人が対象
事業の用に供する「一定の機械・装置・建物付属設備」等が該当
建設費に含まれる電気・空調・昇降設備なども対象になりうる
経済産業局や国税庁の最新通達を確認することが必要です。
✅ 補助金制度の活用|設備導入・建築に使える可能性あり
税制とは別に、中小企業が建設・改修を伴う設備導入に活用できる補助金制度も存在します。
◾ 代表的な補助金
| 補助金名 | 対象となる事業 | 補助率・上限 |
|---|---|---|
| ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | 工場・事業所の新築・改修を含む設備投資 | 最大1,250万円(補助率1/2〜2/3) |
| 事業再構築補助金 | 新分野進出や業態転換等に伴う建物改修・新設 | 最大1億円(要件による) |
| ZEB補助金(環境省) | ZEB建築(省エネ建築)の設計・建設費の一部 | 最大1/2相当を補助 |
※予算枠・公募期間は年度により異なるため、常に最新情報をチェックする必要があります。
✅ 計画段階から「税務・補助金目線」で動くべき理由
建物の設計や工法が決まってからでは、制度の要件を満たさないケースが多々あります。
例えば、ZEB補助金を狙うなら、着工前にZEBプランナー登録者の関与が必要であったり、経営力向上計画の認定申請を工事前に完了させる必要があるなど、建設マネジメントと制度申請は連動して進める必要があります。
建設費用の**”見積り”だけではなく、税務面や補助金も踏まえた「総合的な投資効果」を見ることが、自社ビル建設を成功に導くカギ**になります。
税制と補助金を味方にすれば、建設費はもっと抑えられる
中小企業が初めて自社施設の建設に踏み切るには、資金面での不安がつきものです。
しかし、税制優遇や補助金を正しく活用すれば、実質的な負担を大きく軽減することが可能です。
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