医療モールのメリット・デメリットとは?

開業医が知っておくべき設計ポイント

「医療モール」という形態は、近年ますます注目を集めている医療施設の形です。複数の診療科や調剤薬局が1つの建物に集約された形態で、患者にとっても利便性が高く、開業医にとっても集患効果が期待できることから人気があります。

本記事では、医療モールのメリットとデメリットを整理し、さらに設計段階で特に注意すべきポイントについて、コンストラクション・マネジメント(CM)会社の視点からご紹介いたします。

1. 医療モールとは?

医療モールとは、内科、整形外科、眼科、耳鼻科、歯科、調剤薬局などが1か所に集まった医療施設群を指します。商業施設のテナントのように、複数の診療所が並列的に存在する形態が一般的です。

商業施設の一部として運営されることも多く、ショッピングセンター内や駅前ビルの一角に設置されるケースも増加しています。

2. 医療モールのメリット

✅ 集患効果

複数の診療科が同じ建物に入居していることで、「ついで受診」や紹介受診が促進され、患者数の安定化が期待できます。

✅ 広告・認知効率

モール全体での看板・広告・WEBサイト運営が可能なため、個別開業よりも認知獲得コストが低いのが特徴です。

✅ インフラコストの軽減

空調・電気・給排水などの共用インフラを導入できるため、テナント単独よりも初期投資を抑えることができます。

✅ 薬局との連携

調剤薬局を併設することで、患者の利便性向上処方箋処理のスムーズ化が図れます。

3. 医療モールのデメリット

⚠️ テナント間の競合

科目が近い、または患者層が重複する診療所が隣接すると、患者の奪い合いが起こるリスクがあります。

⚠️ スペース制約と内装制限

モール設計の都合上、思い通りのレイアウトが実現しにくいことがあります。特に、CT・MRIなどの大型機器の設置には注意が必要です。

⚠️ インフラの調整コスト

共用インフラを複数の診療科で使う場合、それぞれの要望や運用条件に応じた細かな調整が必要になります。

4. 設計時に押さえるべきポイント

(建築確認・消防対応の視点から)

医療モールの設計は、商業施設とは異なり医療機関としての安全性・利便性の確保が求められます。特に以下の点は設計初期段階から意識する必要があります。

🔸 避難経路の確保(建築確認)

診療所や薬局ごとに異なる利用者導線が存在するため、共通の避難経路を確保しながら法規要件を満たす必要があります。

🔸 消防設備の設置基準(消防法対応)

自動火災報知設備や誘導灯、スプリンクラーなどは、施設全体の規模や構造に応じた調整が不可欠です。
当社では消防署との協議や設計へのフィードバックを一括で対応しています。

🔸 壁構造・遮音対策

診療科ごとに異なる音環境が求められるため、遮音性の高い間仕切り設計や空調ダクトの設計も重要です。

5. 医療モールを検討中の先生へ(CM会社からの提案)

開業を成功させるためには、建築確認・消防法対応と並行して、モール全体の設計方針に早期から関与することが重要です。

特に医療モールのような複合施設では、1つの不備が他テナントにも影響を与えるため、事前の調整と設計管理が不可欠です。

私たちのような医療施設に強いCM会社を活用することで、開業スケジュールの遅延や予期せぬ追加費用を防ぐことができます。

医療モールは、集患・コスト面で大きな魅力を持つ一方、設計・法対応面では複雑さが伴います。
建築確認や消防対応の専門家と連携しながら、安心・安全な医療環境を整えることが、開業成功への第一歩です。

「どのように設計すれば良いか不安」「行政対応が心配」といったお悩みがある場合は、ぜひ私たちにお気軽にご相談ください。

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