医療機器と内装の干渉を防ぐ設計の工夫|建設マネジメントの視点でトラブルを回避する

病院やクリニックの新築・改装では、「内装が完成したのに医療機器が入らない」「機器の配線が露出してしまった」など、医療機器と内装の干渉によるトラブルが少なくありません。
こうした問題は、設計段階での見落としや情報共有不足によって発生し、結果的に追加工事・コスト増・開業遅延を引き起こします。

本記事では、コンストラクション・マネジメント(CM)会社の視点から、医療機器と内装設計の干渉を防ぐための実践的な工夫を解説します。

よくあるトラブル事例と原因

🔧 事例1:機器が搬入経路を通らない

CTやMRIなど大型医療機器が玄関・通路・エレベーターを通らず搬入不可になった。

🔧 事例2:コンセント位置・配線経路が合わない

医療機器の設置位置とコンセントの配置・容量がズレていて再工事が必要になった。

🔧 事例3:設置後の放熱や振動・電磁波による影響

超音波やX線機器の放熱対策やノイズ影響の配慮不足で、他の設備に悪影響。

これらの原因の多くは、設計段階で医療機器業者と建築サイドの情報共有が不十分なことによって起こります。

医療機器と内装の干渉を防ぐ5つの設計工夫

✅ 1. 医療機器の仕様書を早期に共有

メーカーの設置要領書(設置図・配線図・寸法図)を入手し、設計初期から図面に反映します。
設置面積・放熱量・重量・配線の方向・メンテナンススペースも確認必須。

✅ 2. 搬入経路を逆算して設計

玄関から診療スペースまで、曲がり角や階段の幅、エレベーターの荷重などを事前にチェックし、機器搬入のシミュレーションを行います。

✅ 3. 配線・配管スペースの確保

壁や床、天井裏に空配管(先行配線管)や点検口を設け、機器ごとの電源容量や信号線、給排水ラインの干渉を防ぎます。

✅ 4. 空調・放熱・遮音への配慮
  • 放熱が大きい機器は専用空調や排熱ダクトの設置

  • 超音波・振動発生機器は遮音材の使用

  • 電磁波の影響がある装置には隣接機器との距離を確保

✅ 5. レイアウト変更への柔軟性

将来的な機器入れ替えや診療科の変更に備え、可動壁・フリーアクセスフロア(床下配線)・余裕ある配管ルートを設計に組み込むとベターです。

CM方式による医療機器との整合管理の強み

コンストラクション・マネジメント方式では、医療機器の仕様確認を設計段階で確実に反映させる体制をとります。

  • 医師・医療機器ベンダー・設計者・設備業者の橋渡し役として、情報共有を徹底

  • 機器変更があっても柔軟に設計調整や工程変更をサポート

  • トラブル時には原因を明確にし、責任の所在を整理しながら再発を防止

医療機器の導入成功は「設計段階」で決まる

内装工事と医療機器の設置は、別の業者が担当することが多く、連携不足によるトラブルが頻発します。
だからこそ、建設全体を統括するCM会社が間に入り、設計〜施工〜導入までを一体でマネジメントすることが、スムーズな医療施設づくりに欠かせません。

👉 医療機器と建築の調整に不安がある方は、まずは一度ご相談ください。

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