商業施設の用途地域別建築可能な施設まとめ｜建設マネジメントのプロが解説

商業施設を建設する際に、まず確認すべき重要な要素の一つが「用途地域（ようとちいき）」です。用途地域は都市計画法に基づき、土地の利用目的を定めるもので、建設できる建物の種類や規模に大きな影響を与えます。

建設マネジメント（CM）方式を採用する当社では、初期の土地選定段階からお客様の事業計画に最適な立地条件を整理・分析し、法的制約をふまえたうえで最適な施設づくりをご提案しています。本記事では、代表的な商業施設（ホテル、オフィスビル、テナントビル、マンション等）を対象に、用途地域ごとの建築可否や注意点を解説します。

✅ 用途地域とは？

用途地域は主に以下の13種類に分けられます：

第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域
特定用途制限地域（自治体ごとに設定）

これらは「住環境を守る地域」から「商業・工業活動を促進する地域」まで用途が異なり、建築可能な用途が大きく異なります。

✅ 商業施設の代表例と建築可能な用途地域

◾ ホテル（宿泊施設）

用途地域	建築可否	備考
商業地域・近隣商業地域	〇	建築可能、用途制限が少ない
準住居地域	〇	一部制限あり（規模・形態に注意）
住居地域	△	特別用途制限が必要な場合あり
工業専用地域	×	建築不可

特にビジネスホテルや観光ホテルは「商業地域」での建設が一般的です。住宅街に近いエリアでは、騒音・交通・景観への配慮が求められるため、行政との事前協議が欠かせません。

◾ オフィスビル・テナントビル

用途地域	建築可否	備考
商業地域・近隣商業地域	◎	利用に最も適した地域
準工業地域・準住居地域	〇	業種により要確認
住居地域	△	小規模事務所であれば可能

複数テナントが入居する複合ビルは「近隣商業地域」や「商業地域」が最適です。ただし、飲食店や物販店などの用途によっては、建築基準法以外にも風営法や消防法への対応が求められます。

◾ 賃貸マンション（共同住宅）

用途地域	建築可否	備考
住居系全般	〇	規模により容積率制限あり
商業地域	〇	オフィスや店舗との併設も可能
工業専用地域	×	原則建築不可

マンションの場合、建築可能地域は広いですが、低層住居専用地域では建物の高さ制限や日影規制が厳しく、設計段階での配慮が必要です。

✅ CM会社としての関わり方

私たち建設マネジメント会社は、土地選定・用途地域確認・行政協議の初期段階からプロジェクトに関与し、法的リスクを最小限に抑えたスムーズな計画進行をサポートします。

用途地域に関する判断ミスは、後戻りができない致命的なコスト増・スケジュール遅延につながる可能性があります。専門的な知見と現場経験をもとに、確実なプロジェクト遂行をご支援いたします。

商業施設の建設では、用途地域の確認が最初の重要ステップです。法律だけでなく、地域の特性や近隣住民への配慮も求められるため、計画段階から専門家と連携することが成功の鍵となります。

当社では、ホテル・オフィス・テナントビル・マンションなど多様な商業施設の建設を、用途地域の調査から設計・施工まで一貫してマネジメントしています。初期段階のご相談から承りますので、お気軽にお問い合わせください。