建設コストを抑えるメディカル施設のCM方式とは?|クリニック・病院建設における新しい選択肢

病院やクリニックなどの医療施設を新たに建設・改修する際、「思ったよりコストがかかる」「予算をオーバーしてしまった」という声をよく耳にします。特に初めて開業する医師の方にとって、建設費用は経営を左右する大きなポイントです。

そのような中で近年注目されているのが、CM方式(コンストラクション・マネジメント方式)という進め方です。本記事では、CM方式がなぜ医療施設においてコスト削減に有効なのか、従来の方式との違いを交えて専門的に解説します。

そもそもCM方式とは?

CM方式とは、建設プロジェクトにおいて、設計・施工とは別の中立的な立場の「建設マネジメント会社(CM会社)」が、施主の代理人としてプロジェクト全体を管理・調整する方式です。

従来の「設計・施工一括方式(デザインビルド)」や「ゼネコン一任型」とは異なり、発注者(医師・法人)が自ら複数の施工業者に直接発注し、コストや工程を透明化できるという特徴があります。

医療施設における建設コストの特徴と課題

病院・クリニックの建設では、以下のような要素がコストを押し上げがちです。

  • 放射線・X線設備に伴う遮蔽壁工事や電気容量増強

  • クリーンルームや陰圧換気などの空調設備

  • 法規制への対応(消防・バリアフリー・保健所の許認可)

  • 医療機器に合わせた床補強・配線対応

これらをゼネコン一社に任せてしまうと、専門的な価格比較ができず、結果的に「言い値」での発注になってしまうケースが多く見られます。

CM方式でコストを抑えられる理由

✅ 1. 業者選定の透明化と競争性の確保

CM方式では、内装・電気・空調・給排水など各工種ごとに複数社から見積もりを取得し、価格と内容を比較検討できます。
→ これにより最適価格で発注が可能になり、ゼネコン丸投げによる中間マージンを抑制できます。

✅ 2. 不要な設計・仕様の見直し(VE提案)

CM会社は、図面段階からコストに見合わない仕様や過剰設計をチェックし、VE(バリューエンジニアリング)提案を行います。
→ たとえば「床仕上げの材質変更」「照明プランの簡略化」など、小さな調整でも積み重なれば大きな削減につながります。

✅ 3. 医療機器導入との整合性チェック

医療機器の設置後に「設計と合わず工事のやり直し」が発生すると、大きなロスになります。
CM方式では、設計段階から医療機器ベンダーと連携して仕様を確認するため、後戻り工事を防ぎ、コスト増を抑えます。

他方式とのコスト比較イメージ

方式透明性業者選定コスト管理VE対応建設費用の傾向
ゼネコン一括低いゼネコン主導困難限定的高くなりやすい
CM方式高い発注者+CM主導可能柔軟に対応可最適化可能

CM方式が向いている医療施設とは?

以下のような医療施設には、特にCM方式が適しています。

  • 個人クリニック・中規模病院の開業(コスト意識が高い)

  • 医療法人の移転・増改築(専門性・信頼性重視)

  • 既存建物を活用したリノベーション(柔軟な対応が必要)

コストも品質もあきらめない医療施設づくりを

医療施設の建設では、限られた予算の中でいかに機能性・安全性・拡張性を両立するかが重要なテーマです。その実現において、CM方式は非常に有効な選択肢となります。

当社では、医療施設に特化した建設マネジメントの実績をもとに、中立的な立場で施主様の利益を最大化するお手伝いをしております。

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