診療科によって異なる設計ポイント(内科・整形外科・精神科など)

内科・整形外科・精神科の診療所設計を成功させるために

診療所やクリニックを新規開業する際、診療科によって必要な設備や設計要件が大きく異なります。

本記事では、内科・整形外科・精神科を例に、診療科ごとの設計ポイントを建築確認・消防対応を専門とするCM会社の視点から詳しく解説します。

1. 内科クリニックの設計ポイント

内科は最も一般的な診療科の一つであり、動線効率・待ち時間対策・バリアフリー設計が重要です。

✅ 主な設備構成:
  • 受付・待合スペース(十分な座席数)

  • 診察室(1〜2室)

  • 処置室・点滴スペース

  • トイレ(車椅子対応が望ましい)

✅ 設計のポイント:
  • 患者動線とスタッフ動線の分離

  • 点滴室は静音・半個室構造が理想

  • 高齢者患者が多いため段差・スロープ・照明設計に配慮

✅ 建築確認・消防対応:
  • バリアフリー法への適合(スロープ勾配、トイレ寸法等)

  • 避難経路の視認性・誘導灯の設置位置

2. 整形外科クリニックの設計ポイント

整形外科では、物理療法やリハビリスペース、X線設備などが必要となり、内科より広いスペースが求められます。

✅ 主な設備構成:
  • 診察室・処置室

  • X線室・リハビリ室

  • 理学療法機器(牽引器、超音波治療器など)

  • 更衣スペース・ストレッチエリア

✅ 設計のポイント:
  • 床荷重に注意(機器重量・ベッド耐荷重)

  • **X線室の遮蔽設計(鉛ガラス・鉛板など)**が必須

  • 広い通路・ベッド間隔の確保(車椅子利用者対応)

✅ 建築確認・消防対応:
  • X線室の構造と法的基準に適合させる必要あり

  • リハビリ機器による電源容量の計算・分電盤設計

  • 消防法上、スプリンクラーの設置要否を面積で判断

 

3. 精神科クリニックの設計ポイント

精神科は、患者の心理的安全性とプライバシー確保が最重要。一般診療所と異なる配慮が必要です。

✅ 主な設備構成:
  • 診察室・カウンセリングルーム

  • 静養室(急変時用)

  • 待合スペースは開放的すぎない設計が好まれる

✅ 設計のポイント:
  • 遮音性重視の壁・建具(カウンセリング内容の漏れ防止)

  • 人目を避けた出入口レイアウト

  • 過刺激にならない照明・色調・家具配置

✅ 建築確認・消防対応:
  • 診察室の開閉不能な内鍵禁止(安全対策)

  • 静養室を設ける場合、ベッド設置と照明・換気要件あり

  • 精神疾患の患者を想定した避難誘導計画にも配慮

4. 共通の注意点(CM会社の視点)

  • 診療科による設備要件と法令対応の整合性を初期から検討

  • 消防設備(火災報知器・避難誘導灯)はテナントビルか単独建物かで条件が変動

  • 建築確認申請書類には診療内容の記載が必要なケースもあるため、用途区分を明確に

診療科の特性に合わせた設計で、開業の成功率は大きく変わる

開業計画において、診療科の選定は設計要件を大きく左右します。
診療科に応じた設計と建築確認・消防対応を初期段階から適切に行うことで、手戻りやコストの増加を防ぎ、スムーズな開業を実現できます。

当社では、診療科別の設計アドバイスから行政対応まで一括サポートしています。
「内装工事を始める前に、設計の方向性を確認したい」
「消防署との協議が不安」
といった場合は、お気軽にご相談ください。

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