医療施設建設の省エネとZEB化
エネルギー効率と快適性を両立する医療建築の新常識
高齢化の進展と医療ニーズの多様化により、地域医療を担う診療所やクリニック、病院の建設需要が拡大しています。一方で、医療施設はエネルギー消費量が多い建築物の代表でもあり、電気代・ランニングコストの高騰や環境配慮への対応は避けて通れません。
近年は国土交通省や経済産業省によるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)推進も進み、医療施設にもZEB化が求められる場面が増えています。
本記事では、医療施設における省エネ設計・ZEB化の考え方と導入のポイントについて、建築CM会社の視点から解説します。
ZEB(ゼブ)とは?|医療施設での導入が注目される理由
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とは、「建物の一次エネルギー消費を、断熱・高効率設備・再生可能エネルギーなどの導入により年間消費エネルギー収支を実質ゼロに近づける建物」です。
医療施設にZEBを導入するメリットは以下の通りです:
✅ 電気・ガスなどの光熱費削減による長期的コスト低減
✅ 国・地方自治体の補助金・税制優遇を受けられる可能性
✅ 災害時のエネルギー自立性(BEMS導入・太陽光+蓄電池)
✅ 職員・患者の快適性・環境への配慮アピール
医療施設では、空調・換気・照明・給湯などの常時稼働が前提の設備が多く、省エネ効果が特に高く現れる建物です。
医療施設における省エネ・ZEB化の設計ポイント
医療施設特有の機能性と快適性を損なわずにZEBを実現するには、以下の設計戦略が重要です。
1. 高断熱外皮の採用(断熱・気密の強化)
建物の外壁・屋根・窓を高断熱仕様とすることで、夏の冷房・冬の暖房負荷を大幅に削減できます。医療施設は患者の快適性が重視されるため、温度ムラのない空間設計も求められます。
例:
Low-E複層ガラスの採用
高性能断熱材(グラスウール、ウレタンフォーム等)の導入
外気取り込みの抑制による負荷軽減
2. 高効率設備の導入(照明・空調・給湯)
照明器具はすべてLED化し、空調はインバーター式高効率エアコン、給湯はエコキュートや高効率ガス給湯器を選定します。
また、診察室・待合・処置室などの利用時間帯に合わせたゾーニング制御が省エネに直結します。
3. BEMS(ビルエネルギー管理システム)の導入
エネルギー使用状況を見える化するBEMSを導入することで、空調・照明・機器類の運用の最適化が可能になります。特に病院や有床診療所では24時間稼働が前提となるため、自動制御によるエネルギー削減効果が大きいです。
4. 太陽光発電・蓄電池との連携
屋上や未利用地を活用して太陽光パネルを設置することで、日中のエネルギー需要を自家発電で賄うことが可能です。停電対策として蓄電池との組み合わせも検討することで、BCP(事業継続計画)にも貢献します。
医療施設のZEB化は“未来への投資”
省エネやZEB化は、単なる環境対策ではなく経営的な観点からも大きなメリットがあります。
特に光熱費の高騰が続く中、エネルギー消費の最適化は医療経営の安定化に直結します。
私たちCM会社は、診療所・医療モール・有床施設などの医療建築に特化したZEB対応支援を行っています。
計画初期からのご相談が、補助金や設計条件の最適化につながりますので、ぜひお気軽にご相談ください。


