医療機器との建築連携|失敗しないための設計・施工計画とは?
医療施設の建設や改修において、医療機器の導入と建築設計の連携は、成功のカギを握る重要なポイントです。とくにCT、MRI、X線装置、透析装置などの大型・特殊機器を導入する場合、機器メーカーとの連携が不十分だと、レイアウトのやり直しや配線工事の追加など、コストやスケジュールに大きな影響が生じる可能性があります。
本記事では、医療施設建設において医療機器と建築設計を連携させる際の重要なポイントを、コンストラクション・マネジメント(CM)会社の視点から解説します。
医療機器と建築が連携すべき理由
医療機器は単なる「設備」ではなく、建築そのものに影響を及ぼす要素です。以下のような理由から、早期段階での調整が必要です。
✅ 設置スペースや重量に応じた床荷重補強
✅ 放射線・磁場などによる遮蔽構造設計
✅ 水回り・排気・ガス等の設備機器との接続
✅ 機器の開口部寸法に合わせた搬入経路・ドアサイズの調整
こうした条件を見落とすと、施工後のやり直し工事が発生するリスクが高まります。
建築と連携が必要な主な医療機器
| 機器 | 連携が必要な建築要件 |
|---|---|
| CT・MRI・X線 | 放射線遮蔽設計、鉛ガラス、防音、磁場対策(MRI) |
| 内視鏡・超音波機器 | 電源容量、器械室の温度管理 |
| 透析装置 | 給排水設計、薬液処理、感染対策動線 |
| 歯科用CT | 部屋の寸法・壁厚、X線遮蔽 |
| 自動精算機・電子カルテ | LAN配線、電源、待合レイアウト |
建築設計段階で考慮すべき連携ポイント
1. 機器の仕様書の早期取得と共有
導入予定の医療機器が決まり次第、メーカーからの仕様書・設置条件を設計者と共有します。CM会社が調整役となることで、建築と機器仕様のミスマッチを未然に防ぐことが可能です。
2. 搬入・設置の導線を確保
大型機器の場合、以下の点も建築設計に組み込む必要があります。
✅ 搬入時に通れる幅・高さの通路
✅ 搬入時の一時開口(外壁・窓等)の設計
✅ 機器設置後の保守スペースの確保
たとえば、MRIは通常のエレベーターでは搬入できず、クレーンでの吊り上げ搬入が必要なケースもあります。
3. 医療機器業者と定例協議を設定
当社のようなCM会社では、設計・施工・医療機器メーカー・施主が参加する**定例会議(デザインレビュー)**を初期から設定します。これにより、
建築図面と機器仕様の整合性チェック
設置条件や変更への即時対応
スケジュール調整(納品タイミング、電源・ガス設備接続)
がスムーズに行えます。
4. 消防法・建築基準法の遵守も確認
医療機器の種類によっては、特殊建築物扱いや用途変更申請、消防法の追加対応が必要となる場合があります。
X線室:放射線使用届出と遮蔽計算書が必要
MRI室:電磁波障害・金属探知対策
精密機器:非常用電源やUPSの設置要件
CM会社はこれらの法的要件と建築計画を統合的に管理します。
医療機器と建築の連携を成功させるには?
成功のポイントは、次の3つに集約されます。
導入計画の“初期段階”で設計者と機器仕様を共有すること
各機器メーカーとの協議をCM会社が主導し、記録を残すこと
行政対応(建築確認・消防協議)と並行して連携すること
CM会社が橋渡し役として機能します
医療機器と建築の連携は、設計者と機器メーカー、施主の間に「通訳」のような役割を果たす存在が必要です。私たちのようなコンストラクション・マネジメント会社は、建築確認や消防対応に加え、医療機器導入における技術的・法的な橋渡し役を担っています。
これにより、無駄な工事コストを削減し、スケジュール遅延を防止し、安全で機能的な医療施設の実現が可能になります。


