ワンフロア設計 vs 分割賃貸型設計|自社利用+テナント経営の考え方
オフィスビルを建設する際、「建物全体を自社で使うか」「一部をテナントに貸すか」は、事業性や将来性を大きく左右する重要な分岐点です。特に、中小企業の自社ビル計画では、自社利用と収益確保のバランスをどう取るかが鍵となります。
本記事では、**ワンフロア設計(自社専用)と分割賃貸型設計(テナント併用)**それぞれのメリット・デメリット、そして両者を組み合わせた「自社利用+テナント経営」という考え方について、建設マネジメントの視点から解説します。
1|ワンフロア設計(全フロア自社使用)の特徴
✅メリット:
業務動線が最適化され、部署間の連携がしやすい
セキュリティ管理が容易(テナント用動線・設備分離が不要)
ブランディング・企業イメージの統一が図れる
意思決定が早く、レイアウト変更にも柔軟に対応可能
⚠デメリット:
余剰スペースが生じた場合、空間が無駄になる可能性がある
将来的に人員縮小や移転時の資産活用が難しい
建設・維持コストを全て自社で負担する必要がある
2|分割賃貸型設計(テナント併用)の特徴
✅メリット:
使用しないフロアや一部区画を賃貸収入として活用可能
空室リスクの分散(1社ではなく複数のテナント運営)
将来的な事業縮小時にも柔軟に対応できる
賃料収入によってローン返済や固定資産税の軽減が見込める
⚠デメリット:
テナント用動線(エレベーター、トイレ、空調等)の計画が複雑
セキュリティ・防災・ゴミ処理など共用部の管理手間が増加
賃貸管理業務が発生し、外部業者との連携が必要になる
テナント誘致がうまくいかない場合、空室損失のリスクがある
3|「自社利用+テナント経営」というハイブリッド発想
多くの中小企業が注目しているのが、「1階・2階は自社事務所、3階以上は賃貸」といったハイブリッド型の設計です。この形式は以下のような利点を持ちます。
成長期は自社スペースを広く使い、必要に応じてテナント区画へ拡張できる
景気変動に強く、収益の柱を複数持てる
将来的な移転時も、テナント型物件として資産価値を維持できる
このため、設計初期段階から**テナント対応設備(個別空調、分割電気メーター等)**を準備しておくことで、柔軟性を担保できます。
将来性のある「資産」として設計する
自社ビルは「企業の顔」であると同時に、将来的には資産としての収益力も重要なポイントとなります。自社利用と賃貸のバランスをうまく設計することで、空間の無駄を減らし、長期的な経営安定にもつながります。
初期の設計段階から「柔軟な利用計画」を組み込むことで、10年後・20年後の選択肢を広げることができます。オフィスビル建設をご検討中の方は、ぜひ早い段階で建設マネジメント会社にご相談ください。


