テナントクリニックごとの音・振動対策|耳鼻科・整形外科・歯科の特殊要件と設計ポイント
1. 医療モールでなぜ音・振動対策が重要か?
医療モールやテナントビルに複数のクリニックを入居させる場合、音や振動の問題は避けて通れません。
診療に集中できない
隣接テナントへの迷惑
患者の安心感の低下
こうした問題は、特に 耳鼻科・整形外科・歯科 のように、特殊な医療機器や治療方法を用いる診療科で顕著です。
👉 建設段階から「科目ごとの音・振動特性」を理解し、遮音・防振設計を組み込むことが成功のカギです。
2. 耳鼻科クリニックの音対策
特殊要件
吸引機、ネブライザー、オージオメータ(聴力検査機器)などを使用
静かな環境が必須(特に聴力検査室)
設計ポイント
防音室の設置:オージオメータ用の防音ブース
二重壁・二重扉:外部騒音を遮断
空調ノイズ対策:空調設備の運転音が検査結果に影響しないよう配慮
👉 耳鼻科では 外部騒音を遮断することが最優先課題。
3. 整形外科クリニックの振動対策
特殊要件
リハビリ機器(トレッドミル、ステップマシンなど)
レントゲン・MRIなどの大型医療機器
患者の歩行訓練などで床振動が発生
設計ポイント
スラブ厚の強化:床のたわみを抑え、振動伝播を防止
防振ゴムマット設置:リハビリ機器やトレーニング機器の下に敷設
機械室の分離配置:X線装置・MRIなどは専用室に配置し、遮音・防振構造を採用
👉 整形外科では 床構造と防振対策が収益性を左右する要素 になる。
4. 歯科クリニックの音・振動対策
特殊要件
タービン(歯科用ドリル)の高周波音
吸引装置、コンプレッサーによる騒音・振動
夜間住宅併設型の場合、音トラブルが多発しやすい
設計ポイント
防音壁材の使用:RC壁や遮音シートで診療ユニット間の音漏れを防止
機械室の防振設計:コンプレッサーやバキュームモーターを床から絶縁
吸音材天井:診療室全体の残響音を低減
ユニット配置の工夫:壁面と機械配置を工夫し、隣接テナントへの影響を軽減
👉 歯科では 高周波音+機械振動 の両方に対する二重対策が必要。
5. 共通の防音・防振設計の考え方
ゾーニング計画
音・振動が出やすい科目を建物の角や低層階に配置
耳鼻科検査室は外部道路やエレベーターから離れた位置に
構造設計
床スラブを厚めに設計
遮音性能を高める二重床や防振吊り天井を採用
設備計画
防音ダクト、消音器を空調に組み込み
防振架台を使用して機械振動を建物に伝えない
医療モールにおけるテナントクリニックの音・振動対策は、科目ごとに異なる特性を踏まえた設計が欠かせません。
耳鼻科:外部騒音を遮断し、検査精度を確保
整形外科:床の振動対策と大型機器の設置条件を重視
歯科:高周波音と機械振動を抑える二重対策
👉 これらを計画段階から組み込むことで、患者の安心感・診療精度・隣接テナントとの共存性が高まります。


