従業員数から本社事務所の必要面積を計算する方法|1人当たり面積・会議室・共用部の考え方

本社事務所や自社ビルを計画するとき、最初に整理すべきなのが「どのくらいの面積が必要か」という問題です。従業員数が50人なら何坪必要なのか。100人規模なら、会議室や受付、収納、休憩スペースまで含めてどの程度の面積を見込むべきなのか。将来の増員やテレワーク、フリーアドレスを考慮すると、どのように計算すべきなのか。

本社事務所の必要面積は、単純に「従業員数×1人当たり面積」だけでは決まりません。執務席の数、出社率、会議室の数、来客対応、収納量、Web会議の頻度、共用部、将来の増員余地まで含めて検討する必要があります。

面積を小さくしすぎると、完成後に会議室不足、収納不足、音の問題、動線の混雑、増員対応の難しさが表面化します。一方で、必要以上に広く計画すると、建設費、賃料、固定資産税、空調・照明費、清掃費、維持管理費が増えます。

本社事務所の面積計画では、広ければよいわけでも、狭くすればよいわけでもありません。従業員数を起点にしながら、実際の働き方と将来計画に合う面積を整理することが重要です。

本記事では、従業員数から本社事務所の必要面積を計算する方法について、1人当たり面積、会議室、共用部、フリーアドレス、将来増員の考え方を発注者向けに解説します。

本社事務所の必要面積は従業員数だけでは決まらない

本社事務所の面積を考えるとき、従業員数は重要な基準になります。しかし、従業員数だけで必要面積を決めると、実際の使い方に合わないオフィスになる可能性があります。

同じ50人の会社でも、全員が毎日出社する会社と、出社率が60〜70%程度の会社では必要な席数が異なります。来客が多い会社と少ない会社では、受付、応接室、会議室の面積が変わります。紙資料が多い会社とペーパーレス化が進んでいる会社では、収納や書庫の考え方も変わります。

本社事務所では、日常業務だけでなく、経営会議、採用面接、来客対応、社内研修、部署間打ち合わせ、Web会議、災害時対応など、複数の機能が求められます。

そのため、必要面積を計算する際は、まず次の要素を分けて整理する必要があります。

項目確認する内容
従業員数現在人員、部署別人数、将来増員
出社人数平均出社率、最大出社率、全員出社日の有無
執務席固定席、フリーアドレス、部署別席数
会議室会議頻度、人数、来客対応、Web会議
共用部受付、廊下、コピー、休憩、収納、ロッカー
特殊室サーバー室、倉庫、役員室、面談室、集中ブース
将来対応増員、部署再編、レイアウト変更

発注者は、最初に「何人が働くか」ではなく、「どのように働くか」を整理することが重要です。

必要面積を計算する基本式

本社事務所の必要面積は、次のように分解して考えると整理しやすくなります。

必要面積 = 執務スペース + 会議室・応接室 + 共用部 + 収納・設備スペース + 将来余裕

このうち、最初に計算しやすいのは執務スペースです。執務スペースは、従業員数、出社率、席数、1人当たり面積をもとに検討します。

固定席の場合は、基本的に在籍人数分の席を確保します。一方、フリーアドレスやハイブリッド勤務を導入する場合は、出社率を考慮して必要席数を計算することがあります。

必要席数 = 在籍人数 × 想定出社率 × 席余裕率

たとえば、在籍人数100人、想定出社率70%、席余裕率1.1倍の場合、必要席数は次のようになります。

100人 × 70% × 1.1 = 77席

ただし、この計算はあくまで席数を考えるための目安です。全員出社日、研修、採用活動、来客対応、部署ごとの出社集中日がある場合は、通常の出社率だけで面積を決めると不足する可能性があります。

法令上の最低基準と実務上の面積目安は別に考える

本社事務所の面積を考える際は、法令上の最低基準と、実務上の使いやすい面積を分けて考える必要があります。

事務所衛生基準規則では、事務室の気積について、設備の占める容積および床面から4mを超える高さにある空間を除き、労働者1人について10立方メートル以上としなければならないと定められています。これは床面積ではなく、室内空間の容積に関する基準です。

たとえば、天井高さが2.5mの場合、単純計算では10㎥ ÷ 2.5m = 約4㎡となります。ただし、これは働きやすい執務面積を示すものではありません。デスク、椅子、通路、収納、会議室、コピー機、来客対応、避難動線などを考えると、実際の本社事務所ではこれより大きな面積が必要になります。

また、CASBEE-ウェルネスオフィスでは、1人当たりの執務スペースについて、6㎡以上、9㎡以上といった評価基準が示されています。上位評価では、単なる面積だけでなく、ワーカーの働き方の多様性を考慮したオフィスであることも重要になります。

ここでいう執務スペースは、食堂、医務室、会議室、応接室、個室形式の役員室、書庫室、リフレッシュスペース等の共用スペースを除く、一般ワーカーの日常の執務のために割り当てられた床面積を指します。

つまり、1人当たり面積を見る際は、その数字が「執務スペースだけ」を指しているのか、「会議室や共用部を含む面積」なのか、「賃借面積」なのか、「延床面積」なのかを確認する必要があります。

1人当たり面積をどう考えるか

本社事務所の面積計画では、1人当たり面積がよく使われます。ただし、「1人当たり何㎡なら正解」という固定値はありません。

業種、働き方、出社率、会議室の多さ、収納量、来客頻度、Web会議の頻度によって、必要な面積は変わります。

ザイマックス総研の「1人あたりオフィス面積調査(2025年)」では、東京23区の在籍1人当たりオフィス面積は3.8坪、出社1人当たりでは4.7坪とされています。同調査は、一般的な事務所に入居する企業を対象に、利用者1人当たりの賃借面積を分析したものです。

ただし、この数値は賃借面積ベースの調査であり、自社ビルや本社事務所を新築する際の標準面積をそのまま示すものではありません。自社ビルでは、階段、エレベーター、トイレ、設備スペース、機械室、エントランス、防災設備、バックヤードなども含めて建物全体を計画する必要があります。

発注者は、1人当たり面積をそのまま当てはめるのではなく、次のように用途別に積み上げることが重要です。

面積区分内容
執務スペースデスク、椅子、個人作業、部署内通路
会議・応接会議室、応接室、面談室、Web会議ブース
共用部受付、廊下、コピー、休憩、給湯、ロッカー
収納・設備書庫、倉庫、サーバー室、清掃用具置場
将来余裕増員、部署再編、レイアウト変更への余地

固定席とフリーアドレスで必要面積は変わる

固定席にするか、フリーアドレスにするかによって、本社事務所の面積計画は変わります。

固定席は、従業員一人ひとりに席を割り当てる方式です。部署ごとの管理がしやすく、個人の収納や作業環境を整えやすい一方、出張や在宅勤務が多い会社では空席が増えやすくなります。

フリーアドレスは、出社する従業員が日ごとに席を選ぶ方式です。出社率に応じて席数を抑えられる可能性がありますが、ロッカー、予約システム、集中席、Web会議ブース、部署ごとのエリア設計が必要になります。

方式特徴面積計画の注意点
固定席部署管理がしやすい在籍人数分の席が必要になりやすい
フリーアドレス出社率に応じて席数を調整しやすいロッカーやWeb会議スペースが不足しやすい
ABW業務内容に応じて働く場所を選ぶ多様な席種と運用ルールが必要
ハイブリッド勤務在宅勤務と出社を併用するピーク出社日を基準に検討する必要がある

フリーアドレスにすると、執務席の数は減らせる場合があります。しかし、その分、会議室、集中ブース、電話ブース、ロッカー、タッチダウン席が必要になることがあります。

席数だけを減らすと、結果的に働きにくい本社事務所になる可能性があります。

会議室は従業員数ではなく使い方から決める

本社事務所では、会議室の不足が竣工後の不満につながりやすい項目です。

会議室は、単に部屋数を決めるだけでは不十分です。何人用の会議室が必要か、来客用と社内用を分けるか、Web会議に対応するか、採用面接や役員会議に使うか、研修に使うかを整理する必要があります。

会議室の種類主な用途
2〜4人用1on1、Web会議、少人数打ち合わせ
6〜8人用部署会議、来客打ち合わせ
10〜12人用プロジェクト会議、役員会議
大会議室研修、説明会、採用、全社会議
応接室重要顧客、金融機関、採用面談
Web会議ブース個別オンライン会議、集中作業

会議室の必要数は、従業員数だけでなく、会議頻度によって変わります。会議が多い会社、来客が多い会社、採用面接が多い会社、部署横断プロジェクトが多い会社では、標準的な人数計算より多めに見込む必要があります。

また、Web会議が多い会社では、従来型の会議室だけでは不足します。個人がオンライン会議を行うための小型ブースや遮音性のある集中室を設けないと、執務室全体が騒がしくなる可能性があります。

共用部を削りすぎると使いにくい本社になる

必要面積を計算するとき、執務席と会議室だけに目が向きやすくなります。しかし、本社事務所の使いやすさは共用部によって大きく変わります。

共用部には、受付、廊下、コピーコーナー、収納、給湯、休憩スペース、ロッカー、トイレ、倉庫、清掃用具置場、サーバー室などがあります。

共用部確認すべきポイント
受付来客数、セキュリティ、待合スペース
廊下部署間移動、避難、台車搬入
コピー複合機、紙資料、シュレッダー、音
収納書類、備品、販促物、災害備蓄
休憩食事、短時間休憩、社内コミュニケーション
ロッカーフリーアドレス、私物管理、制服
サーバー室通信機器、空調、セキュリティ
倉庫備品、季節用品、イベント用品

共用部を小さくしすぎると、廊下に荷物が置かれる、コピー機周辺が混雑する、会議室が倉庫代わりになる、休憩場所が不足するなどの問題が起こります。

本社事務所は、社員だけでなく来客や採用候補者も利用します。共用部は企業イメージにも関係するため、単なる余白ではなく、必要な機能として計画することが重要です。

将来の増員をどこまで見込むか

本社事務所の面積を計算する際は、現在の従業員数だけでなく、将来の増員計画も確認する必要があります。建設時点でちょうどよい面積にすると、数年後に人員が増えたとき、すぐに手狭になる可能性があります。一方で、将来の増員を過大に見込むと、建設費や維持管理費が増えます。

発注者は、次のように期間を分けて人員計画を整理すると判断しやすくなります。

期間確認内容
現在現在の在籍人数、部署構成、出社率
1〜3年後採用計画、部署拡大、組織再編
5年後事業拡大、新規部門、拠点統合
将来余地増床、間仕切り変更、用途転用

将来対応は、最初から大きな面積を確保することだけではありません。会議室を将来執務室に転用できるようにする、研修室を多目的に使う、フロア単位で段階的に使用する、外部会議室やサテライトオフィスと組み合わせる方法もあります。

重要なのは、将来増員に対して建物側でどこまで対応するかを、設計前に決めておくことです。

50人規模の本社事務所の考え方

50人規模の本社事務所では、執務席だけでなく、会議室、応接、受付、収納、休憩スペースをどこまで確保するかが重要になります。

固定席を前提にする場合、まず50席分の執務スペースを確保します。そのうえで、6〜8人用会議室、2〜4人用会議室、応接室、受付、コピー、収納、休憩スペースを加算します。

在籍人数:50人
席数:50席
必要機能:執務室、会議室2〜3室、応接、受付、収納、休憩
検討方法:執務スペース+会議室+共用部+将来余裕

この規模では、面積を抑えようとして会議室や収納を削る判断になりがちです。しかし、会議室が少なすぎると、執務スペースで打ち合わせが増え、音の問題が起こります。収納が不足すると、廊下や会議室に物があふれます。

50人規模でも、来客対応や採用面接が多い会社では、応接室や小会議室を十分に見込む必要があります。

100人規模の本社事務所の考え方

100人規模になると、単純な席数計算だけでは面積を決めにくくなります。部署数、会議頻度、Web会議、来客、研修、役員会議、収納、サーバー室などの影響が大きくなるためです。

たとえば、100人が在籍し、出社率70%、席余裕率1.1倍のフリーアドレスを前提にする場合、必要席数は次のように計算できます。

100人 × 70% × 1.1 = 77席

この場合、執務席は77席程度から検討できます。ただし、全員出社日、研修、採用活動、部署ごとの出社集中がある場合は、追加の席や会議室が必要になります。

100人規模では、2〜4人用の小会議室、6〜8人用会議室、10人以上の会議室、Web会議ブース、応接室、研修室などを用途別に整理する必要があります。

また、フリーアドレスを導入する場合は、ロッカー、個人収納、予約システム、集中席、電話ブース、チームエリアも必要になります。席数だけを減らすと、会議室不足や音環境の悪化につながる場合があります。

延床面積と有効面積を分けて考える

自社ビルとして本社事務所を建設する場合、必要面積の検討では「延床面積」と「有効面積」を分けて考える必要があります。

延床面積は、建物全体の各階床面積の合計です。一方、実際に執務室や会議室として使える面積は、階段、エレベーター、トイレ、設備シャフト、機械室、壁、柱、共用廊下などを除いた部分になります。

発注者が「300㎡のオフィスが必要」と考えていても、それが執務室として300㎡必要なのか、会議室や共用部を含めて300㎡必要なのか、建物全体で300㎡なのかによって、必要な建物規模は変わります。

面積区分内容
延床面積建物全体の床面積
有効面積実際に利用しやすい面積
執務スペース従業員が日常的に作業する面積
共用・設備面積階段、EV、トイレ、設備、機械室など
将来余裕増員や用途変更に備える余白

建物の形状によっても効率は変わります。細長い建物、柱が多い建物、コア位置が悪い建物は、同じ延床面積でもレイアウト効率が下がる場合があります。

必要面積を計算する際は、数字だけでなく、平面計画とセットで確認する必要があります。

面積計画でよくある失敗

本社事務所の面積計画では、次のような失敗が起こりやすくなります。

失敗例起こりやすい問題
従業員数だけで面積を決める会議室・収納・共用部が不足する
現在人数だけで計画する数年後にすぐ手狭になる
出社率を低く見込みすぎるピーク時に席が不足する
会議室を少なくする執務席や休憩室で会議が増える
Web会議を想定しない音漏れ・騒音・集中力低下が起こる
収納を削る廊下や会議室に物があふれる
共用部を狭くする来客対応や社内移動が使いにくくなる
延床面積だけで判断する実際に使える面積が不足する

特に注意すべきなのは、図面上の面積と実際に使える面積が異なることです。柱、壁、階段、エレベーター、設備シャフト、トイレ、機械室、防火区画、避難経路があるため、延床面積をそのまま執務スペースとして使えるわけではありません。

面積を削ってよい部分・削ってはいけない部分

建設費を抑えるために、面積を見直すことは重要です。ただし、すべてのスペースを均等に削ると、使いにくい本社事務所になる可能性があります。

削減を検討しやすいのは、使用頻度の低い大会議室、過大な役員室、紙資料の保管スペース、重複した倉庫、来客頻度に対して過剰な応接室などです。これらは、利用頻度を確認したうえで、外部会議室の活用、可動間仕切り、多目的利用、ペーパーレス化によって調整できる場合があります。

一方で、安易に削るべきでないのは、日常の執務スペース、避難動線、トイレ、空調・換気、Web会議対応、収納、サーバー・通信スペース、将来のレイアウト変更に必要な余地です。

面積削減は、単なるコストカットではありません。働き方、業務フロー、収納ルール、会議運用を見直したうえで判断する必要があります。

設計前に発注者が整理すべき情報

本社事務所の必要面積を正しく計算するには、設計者に依頼する前に、発注者側で基本情報を整理しておく必要があります。

整理項目内容
従業員数現在人員、部署別人数、将来増員
出社率平均出社率、最大出社率、全員出社日の有無
席の方針固定席、フリーアドレス、部署別エリア
会議会議頻度、会議人数、来客会議、Web会議
来客受付、待合、応接、セキュリティ
収納書類、備品、販促物、災害備蓄
働き方集中作業、電話、Web会議、社内交流
将来計画採用計画、組織再編、拠点統合
建物条件階数、駐車場、倉庫、ショールーム併設の有無
予算建設費、維持管理費、光熱費、将来改修費

これらの情報が曖昧なまま設計を始めると、後から面積の追加、会議室数の変更、設備容量の見直し、レイアウト変更が発生しやすくなります。

CM方式で必要面積と建設費を整理する

本社事務所の面積計画は、働き方、建築計画、設備計画、建設費、維持管理費に直結します。発注者だけで、従業員数、会議室、共用部、将来増員、建物効率、コストを一体で整理するのは簡単ではありません。

コンストラクションマネジメント方式では、発注者側の立場で、必要面積、発注者要求、設計条件、概算コスト、工程を整理します。

たとえば、CM会社は、従業員数や出社率をもとに、固定席・フリーアドレスのどちらが適しているか、会議室数が過不足ないか、共用部が不足していないか、将来増員に対応できるかを確認します。また、必要面積が建設費にどのように影響するかを整理し、過大な面積や不足しやすい面積を可視化します。

本社事務所の計画では、面積を削ることだけがコスト管理ではありません。働きにくい面積設定にすると、完成後のレイアウト変更、追加改修、外部会議室利用、拠点追加など、別のコストが発生する可能性があります。

CM方式を活用することで、発注者は「何㎡必要か」だけでなく、「なぜその面積が必要なのか」「どの面積を削れるのか」「将来どこまで対応できるのか」を判断しやすくなります。

発注者が確認すべきチェックリスト

従業員数から本社事務所の必要面積を計算する際は、次の項目を確認します。

確認項目確認内容
現在人員現在の従業員数と部署別人数を把握しているか
将来人員3年後・5年後の増員計画を反映しているか
出社率平均出社率だけでなくピーク出社率を確認しているか
席数固定席かフリーアドレスかを決めているか
執務面積1人当たり面積の対象範囲を明確にしているか
会議室会議頻度、来客、Web会議を反映しているか
共用部受付、収納、休憩、コピー、ロッカーを見込んでいるか
収納紙資料、備品、災害備蓄の量を確認しているか
音環境Web会議、集中作業、応接の遮音を考えているか
有効面積延床面積と実際に使える面積を分けているか
将来対応増員、部署変更、レイアウト変更に対応できるか
コスト面積増減が建設費・維持管理費に与える影響を確認しているか

このチェックリストを設計前に整理することで、必要面積の過不足を防ぎやすくなります。

本社事務所の必要面積は、従業員数だけで決めるものではありません。現在の在籍人数、将来の増員計画、出社率、固定席・フリーアドレスの方針、会議室の数、来客対応、収納、休憩スペース、Web会議、共用部、建物効率を総合的に見て判断する必要があります。

法令上は、事務所衛生基準規則で労働者1人当たりの気積に関する基準がありますが、これは働きやすい執務面積を示すものではありません。実際の本社事務所では、デスク、通路、会議室、収納、共用部、将来余裕を含めた計画が必要です。

また、1人当たり面積を見る際は、執務スペースだけなのか、会議室や共用部を含むのか、賃借面積なのか、延床面積なのかを必ず確認する必要があります。CASBEE-ウェルネスオフィスでは、1人当たりの執務スペースについて6㎡以上、9㎡以上といった評価基準が示されていますが、これは会議室や共用部を含めた賃借面積ではありません。ザイマックス総研の調査では、東京23区の在籍1人当たりオフィス面積が3.8坪、出社1人当たりが4.7坪とされていますが、これは賃借面積ベースの調査です。自社ビルの必要面積を直接示す数値ではない点に注意が必要です。

発注者が行うべきことは、単に「何人だから何坪」と決めることではありません。どのような働き方をするのか、どの程度の会議室が必要か、どこまで将来増員に対応するのか、どの面積を削ってよいのかを整理することです。

本社事務所は、企業の働き方、採用、経営判断、来客対応、社員満足度に関わる重要な施設です。必要面積を適切に計算し、設計初期から発注者要求として整理することで、建設費と使いやすさのバランスを取りやすくなります。

【重要事項】

本記事は、2026年時点で公表されている資料および一般的なオフィス計画の考え方をもとに、本社事務所・自社ビル・オフィスビルの必要面積を検討する際の考え方を整理したものです。

本文で記載した1人当たり面積、会議室、共用部、フリーアドレス、必要席数の考え方は、一般的な計画上の目安であり、個別企業に必要な面積を保証するものではありません。実際の必要面積は、業種、働き方、出社率、従業員数、部署構成、会議頻度、来客数、収納量、IT環境、将来増員計画、建物形状、法令、自治体条例、設計条件により異なります。

事務所衛生基準規則、建築基準法、消防法、バリアフリー法、省エネ基準、労働安全衛生、自治体条例等への対応により、必要な面積、設備、避難経路、換気、照明、トイレ、階段、エレベーター、駐車場等が変わる場合があります。

自社ビルや本社事務所を建設する場合は、延床面積、執務面積、有効面積、共用部、設備スペース、将来余裕を分けて確認してください。図面上の面積と実際に使える面積は一致しない場合があります。

実際に本社事務所、自社ビル、オフィスビル、ショールーム併設オフィス、研究開発施設、本社移転等を検討する場合は、必ず設計者、施工会社、不動産会社、設備設計者、社会保険労務士、建設マネジメント会社等に相談し、個別条件に応じた面積計画を行ってください。

当社のCMサービスで、コストと品質を両立した建設を実現しませんか?
ご相談は無料。専門スタッフが最適なプランをご提案します。